自称アーティスト

久しぶりに大学の時の教授に会いに行った。ふざけたような会話の後、「なんで教員辞めたんですか。」と聞かれた。


言葉にするのは難しい。


自分の中で一番ピンときたのがタンザニアでの時間の流れだった。昼は学校に行って子どもたちに料理を作って、終わったら木の下でお昼寝して。仕事をしているっていう感覚なんか全くなくて(ていうか仕事してない)、周りのタンザニア人を見ても生きている中に仕事があったような気がする。


私は仕事をしているとき、生きている感覚がなかった。幸いにも子どもたちはめちゃくちゃかわいくて少しの成長が嬉しかったり自分の力が足りなくて悔しかったり感情が動くことはたくさんあったし、いい授業をしたくて毎週仕事終わりに自分の授業のビデオを持って勉強会にも行った。でも休日になると、自然の中で子どもみたいに遊ぶのが楽しくて、仕事をしている自分と同じ人物だと思えなかった。私はいい意味でも悪い意味でも、ワークライフバランスができすぎていたんだと思う。でも私の中での理想は、「暮らしは仕事。仕事は暮らし。」だった。


私は命の危険を感じたことも、身近な人がなくなったこともなかったけど、なぜか

もしも今死んで後悔しないのか

という自問自答をすることが多い。自分のやりたいことをやらない人生は嫌だ。シンプルですごく幼稚だけど、本気で思う。



先生という職業のよさはたくさんしったけど、自分が先生として死んでいくのはなんとなくいやだった。もうそれだけかもしれない。先生をやめる前に考えたのは、アーティストになりたいということだった。自分を思いっきり表現してみたい。私の頭の中は論理的じゃないし、支離滅裂だから言葉ではなかなか表現できなかったけど、それが生きてるってことのように感じた。


本当は人の喜びのために生きられる人になりたかったから、仕事でそんなことができている人はすごくうらやましい。教員だって接客業だって会社員だって、誰かを喜ばせることができる。私は結局は自分のためにしか生きられないんだと思うとなんだか残念な気持ちになったりもするけど、それが自分だから仕方ない。だからこれをなんとか仕事にするしかない。


今はこれに頭を悩ませているところです。